ChatGPTをPOPづくりにも活用
最近はPOPづくりにも活用しています。当社ではこれまで、キャッチコピーをいれたPOPは使っていませんでした。POPは利用していましたが、商品名と価格に加え、特徴が少し書かれているシンプルなものだったのです。しかし、当社には機能性が高い商品が多く、それをアピールするために、手書き風POPをつくることにしました。
たとえば、「ワークマンでデニムの上下を売ろうと思うのですが、いいキャッチコピーないですか」とChatGPTに問いかけます。「その商品にはこんな特徴があって」なども付け加えます。あるいは「○文字以内で『親しみやすい表現』『ちょっと強気の表現』『丁寧な表現』で3つの案を出してください」と指定することも可能です。アウトプットされた文案の中に、ヒットするものが出てきます。
目指すのは「AI Readyの企業」
ワークマンは「AI Readyの企業」を目指しています。AI Readyとは、日々進歩が止まらないAIをいついかなるときでも上手く活用するために準備できている状態を指します。当社は、もともと全社員がエクセルを習得し、それに基づいた数字で話ができるようにすることで、ミーティングを効率化したり、上下関係を超えたコミュニケーションを可能にしてきましたが、AIの進歩はそれを凌ぐ勢いです。現在ChatGPTに関しては「使いたい人は積極的に使って」という会社のスタンスですが、エクセル活用でデジタル慣れしている社員たちの中には、早々から当たり前に業務に組み込んでいる人もいます。特に気負わず、ちょっと相談するくらいの感覚からChatGPTを使い始めるのが、上手に使いこなすためのコツではないでしょうか。
※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年5月3日号)の特集「AI時代の生き方大全」の一部を再編集したものです。
(構成=向山勇 撮影=関竜太)