危機の後には、投資のチャンスがある

【渡邉】世界恐慌が起きたときは投資のチャンスと考えていいでしょうか。

【ロジャーズ】ハイパーインフレで通貨が暴落したときは、何もかもがバーゲンになります。コロナ禍は経済的にも大きなショックをもたらしましたが、「危機」の後には、さまざまな投資機会が生まれることも事実です。私は、以前からコロナショックの後には観光やそれにかかわる航空会社、飲食、ホテルなどの業界にチャンスがあると言ってきました。現に、日本でもコロナ禍前以上にインバウンド需要が高まっているでしょう。まさにチャンスが到来しているのです。

しかし、私自身は、2023年に入ってから先進国への投資を控えています。その理由は、今後1年程度の間に大きな経済ショックが待ち構えていると考えているからです。

「通貨が暴落したときは何もかもがバーゲンになり、投資のチャンスがくる」と語るジム・ロジャーズ氏。
撮影=Takao Hara(Luxpho) 
「通貨が暴落したときは何もかもがバーゲンになり、投資のチャンスがくる」と語るジム・ロジャーズ氏。

アメリカでは2009年以降、大きな経済ショックを経験していません。14年もの間、何もショックがなかったのは歴史的に最長です。そう考えても、近いうちにアメリカで何らかの大きいショックがあると考えています。

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