義母と義兄からの強引な宗教への勧誘を受け、縁を切った女性。義家族へは住所を一切知らせなかったが2人は必ずやってきた。出産直後で体調の悪い女性に対し、「悪魔の嫁から生まれて来たこの子は、あと3日で死ぬよ!」と言い放った――。(後編/全2回)

祖父の死

無理やり宗教に勧誘しようとする義母、義兄をめぐって大喧嘩して以降、関西地方在住の行田優芽子さん(仮名・40代)は夫を避け続けていた。そんな時、母親からの電話で父方の祖父の死を知らされる。自分たちの結婚式に急遽来られなくなった祖父だ。

「すぐに行く!」と母親に伝え、行く前に仕方なく仕事中の夫に連絡すると、「早く行ってあげて! 俺も後で向かうから!」と言った。

葬儀には、夫は仕事を休んで参列。夫は葬儀に参加することが初めてらしく、作法に戸惑いながらも憔悴した行田さんを支え続けてくれた。

線香にクローズアップされた葬儀の様子
写真=iStock.com/kyonntra
※写真はイメージです

それから数日後のこと。

行田さんから強引な宗教への勧誘行為などすべてを聞いた夫が厳しく注意したため、鳴りを潜めていた義母と偶然スーパーで鉢合わせ、義実家へ行くことになってしまう。お茶を出し、他愛のない話をしてくる義母。行田さんが警戒していると、

「そういえば先日○○ちゃん(行田さんの夫)に電話したけど繋がらなくて。心配で会社に電話をしたら『今日は休まれてます』って言われたんだけど、優芽子ちゃん何か知らない?」

「これを聞き出したかったんだな」と合点がいった行田さんは、祖父の葬儀に参列してくれたことを話した。その瞬間、突然頬に痛みが走る。

「何て事してくれたの! そんな気持ちの悪い所に連れて行ったの? ○○ちゃんが穢れたでしょう! もう許さない!」

以前、義兄にビンタされたが、今度は義母からされたのだ。これまでにないほどに怒り狂った義母は、どこかに電話をかけ始める。その隙に行田さんは自宅に逃げ帰った。