多くの人は「お金を使うために費やす時間」を軽視している

ではなぜお金を使わないのかというと、生活水準を上げたくないからです。ハードワークが基本だから使うヒマがないというのもあります。

僕がお金を使わないのは、お金を使うと損失が発生するからです。

「お金を使ったらそれは損失になるよね」と思われるかもしれませんが、そうではないのです。

僕が考える、お金を使うことの一番の損失は「お金が減ること」ではありません。「お金を使うために費やす時間」なのです。

たとえば100万円の買い物をするとします。そのときには100万円というお金だけでなく、時間を使って買い物をしているわけです。

その時間を使って本来稼げるはずのお金があったはずなのです。その時間を使ってしまったことが最大の損失なのです。

散財してお金がなくなって破産する人というのは、お金を使ってしまったことよりも「本来稼げるはずの時間」を失ったことが大きいのです。仕事に振り向ける時間が減ったことによって「稼ぐ力」が落ちてしまうのです。僕はそういう人を何人も見てきました。

もちろん、お金を使ってはいけない、遊んではいけないという話ではありません。僕だって時々は息抜きもするし、お金を使うこともあります。

要はお金を使うことは自分のリソースをダブルで使い込んでいるという自覚をもって、バランスを考えながら使うことが大事だと思っています。

一時的に大きく儲けた人が迎える悲惨な末路

僕はこれまでビジネスがうまくいって一時的に大きく稼いだはいいけれど、生活水準を上げて悲惨な末路を迎えた人をたくさん見てきました。

ビジネスが当たってお金がガーッと入ってきて、高級時計を買って、すごい高級車に乗って、ブランド物を買いまくって、キャバクラに行きまくって破綻した人とか、3億円を稼いでそれを全部使ってしまって、結果的に支払いがどうにもならなくなって海外に逃げて行った人とか……。

高級ホテルの一室に置かれたシャンパンボトルとシャンパンの注がれたグラス
写真=iStock.com/mchebby
※写真はイメージです

世の中にはいろんなリスクがあります。トレンドの変化もあるし、大手企業が参入してくるかもしれないし、新型コロナウィルスのように想定外の世界的変化が起こるかもしれません。

数年前にフォロワー100万人を誇ったトップインフルエンサーの多くが引退か収益半減という事実があります。インフルエンサーには賞味期限があるのです。

だから今稼ぐことが出来てもそれがずっと続くとは限りません。だからこそ、稼ぐことが出来たなら、危機管理をしっかりすることが大事です。