NISAにも対応しているかどうかを確認

では、どうつき合えばロボアドを味方に付けることができるのでしょうか。5つのポイントを見ていきます。

1つ目のポイントは、どこの会社のロボアドを選ぶかです。日本におけるロボアドの歴史はまだ浅く、そのサービスを提供している事業者は増えつつあります。しかし、国内でもすでに撤退した事業者があるほか、ロボアド先進国のアメリカでは、ロボアド事業者が運用成果を偽装するなどの詐欺事件も起こっています。

とはいえ証券会社は会社の資金と顧客の資金は分別して管理することが義務づけられており、また、万一それに反しても日本投資者保護基金に加入していれば顧客1人当たり1000万円までが補償されます。ロボアド事業者が、そもそもこれに加入しているかを、公式サイトなどで事前に確認しておくのがおすすめです。

2つ目のポイントは、NISA(少額投資非課税制度)への適応性です。NISAは個人投資家に税制上の特典を提供する国の制度です。この制度を利用すれば、投資信託にかかる通常約20%の税金が免除されます。例えば一般の口座を利用した場合、100万円の利益から約20万円の税金が引かれ、実際に受け取ることができるのは80万円程度となります。一方、これにNISA口座を利用すれば税金が免除され、全額の100万円を受け取ることができます。複利効果の恩恵を最大限に受けるためには、NISAに対応している事業者を選ぶことが得策です。

ただしロボアド専業会社では、個別株投資や自分の好きな投資信託の選択はできません。また、NISA口座は1つしか持つことができないため、ロボアド専業会社でNISA口座を利用すると、他の証券会社でNISA口座を作って個別株投資などを行うことができなくなる点には注意が必要です。

【図表】AI投資は万能ではない!

3つ目のポイントは、ロボアドの運用手法を確認することです。そもそもロボアドは、平均株価などの指標に連動するインデックス型の投資信託などを組み合わせて、それぞれの人に合った最適なポートフォリオを構築するのが一般的でした。しかし、最近ではハイリスクハイリターンのアクティブ型の運用を行うロボアドも出てきています。そこで自分が利用しようとしているロボアドがどのような運用手法を採用しているかを確認する必要が出てきました。投資信託を選ぶ際、「目論見書」と呼ばれる説明書を確認するのと同様に、ロボアドを選択する際には、ホワイトペーパー(説明書)やホームページで提供される情報をチェックして、どんな手法か確認することをおすすめします。

【図表】AI投資に向く人・向かない人3カ条