業界1位でも「一番と言わない」理由

【遠藤】今、セカンドストリートにある商品の6割、7割くらいが服飾雑貨で、あとは家具、家電、雑貨となんでもやっています。引き取らないのは家と車と生ものくらいのもの。

〈以下は引き取らない〉
状態が著しく悪いもの
偽装品、コピー商品
汚れ、変形、変色等の状態が著しくあるもの
必要不可欠な付属品が欠品しているもの
安全性が確認できない状態のもの

【遠藤】市場調査では、リユース業界の売り上げでゲオホールディングスはナンバーワンと出ています。2位がブックオフ、3位がコメ兵。前者は書籍に強くて、後者はブランド物を得意とされています。2社はいずれも1000億円近い売り上げです。一方、当社はセカンドストリートが単体でやっと1000億円くらい。

ゲオでやっているリユース、加えてラグジュアリーブランドのリユース「おお蔵」がありますから、すべてを合わせて2000億円弱になるのです。連合体で一番と言われているだけですから、当社から一番と言ったことはありません。だって、一番と言うと落ちるだけでしょう。つねに二番手でいこうという気持ちです。

自身の名刺入れを手に取って、中古品査定のお手本を見せる遠藤代表
撮影=西田香織
自身の名刺入れを手に取って、中古品査定のお手本を見せる遠藤代表

日本のリユース市場は飽和しつつある

遠藤が言ったようにリユースのマーケットは成長している。一方で、参入してくる会社も多い。店舗を持つセカンドストリートのような形態、ヤフオク、メルカリのようなインターネットのフリーマーケット。さらに、セカンドストリートもそうだが、店舗に加えてネットでも買い取り、販売を行う会社……。さまざまなところが登場して乱戦模様といったところだ。

ただ、ゲオホールディングスの特徴は海外にも進出していること。リユースを国内だけでなく、いくつかの国でも行っているのは今のところゲオくらいのものだ。

【遠藤】国内だけのリユース業ではいつかは市場が飽和になると思っています。お客さまのタンスの中は限りがあります。エリアによっては買い取りするものが減りつつあるところもでているくらいです。参入障壁が低い業界ですから、つねに新規参入があるわけです。ある程度お金を用意して、古物免許さえ取得すれば買い取りを始めることができる。業界で生き残るためには特色がなければダメです。

当社は2015年から海外でもビジネスをしてきました。あの頃、私はセカンドストリートのメンバーとロサンゼルスへ行ったのですが、古着店のチェーンを視察する機会があって、これならわれわれでもやれるんじゃないかと調査を始めたのです。でも、出店するまでに5年くらいかかりました。